2016年7月16日土曜日

The Grand Wall



チーフを登る日が来たよ〜。

いままで短いマルチは登ったものの、この壁のスケールからいったら下部をちょろっと触った程度。今日は上まで抜ける予定です。

この先、また雨がちな空に戻るかもしれないから、一番やりたいルートを相談。
神の希望で看板ルートの一つ、The Grand Wall(5.11a A0)へ行くことにしました。






まずは下部のやや寝ているエリアを、クラックとスラブのラインをたどりながらどんどん上がる。グレードは易しいけれど、7、8mのランナウトがバンバンあってシビれます。




今日は一番乗りかと思いきや、スピードの速いパーティーが違うラインから迂回して抜いていった。あれれれ。

後ろにも2パーティー。人気ルートなんですね。


ハング下に突き当たったところで、気持ちの悪いトラバースから、これまた気持ちの悪いA0セクションをこなして上部岩壁へ。




ここから4ピッチが、このルートのハイライトです。

シビアそうな5.11aが連続した後半パートは、僕には突破できそうにないので、3ピッチほど完全にゴッドまかせです。

唯一できそうなものは、一番手前のズバーっと割れた顕著な凹角""The Split Pillar"(5.10b)です。


1つリードしたくて、「5.10bのピッチだけ順番変わってもらえませんか?」とお願い。

黙考する神。返事はない。





(あれれえダメか・・?)

ま、このルートを行きたいと言い出したのは神だから、今回はフォロー要員だと思って諦めよう。

・・と、思い出した頃に、「さっきの話ですが、リードしていいですよ」とのお返事をいただきました。ズルリッ。

では、ありがたく行かせていただきまする〜。







遠くからも見えるこの美しい凹角は、湯川のバンパイアをもうちょっと太くした感じ。
40mのうち20m以上にわたって同サイズが延々と続いていくため、ランナウト必至です。

ちょっと緊張するレイバックと、簡単なワイドをこなしてテラスへ。





神のお導きで、次の厳しい5.11aをなんとかかんとか通過。






ここからはブランクセクションを、ボルトラダーを頼りにA0で登る。




この核心部のラスボスと思しきセクションが見える。

かぶったワイドのアンダーフレークを、苦しいレイバックで登っていくらしい。




ずっとかぶっている上に、レストポイントになりそうな場所が全然見当たらない。
これで5.11aかよ・・

この強烈なストレニルートでは、さすがの神も(もちろん僕も)テンションが入ってしまいましたが、なんとかかんとか突破。めちゃめちゃパンプした・・




あとは上部へ向けて易しい2ピッチへ。
まずはすさまじいランナウトと超絶リーチーな設定の5.10aを抜ける(180cmの僕がパツンパツンでした)
ああ、たまにはゴッド様のお役に立ててよかったです。

続いて木登りからのアンダーフレークを突破すると・・




上部バンド、Berrygood Ledgeへ到達。

この先、Roman Chimneyという5.11aのワイドもあるのだけど、今回は割愛。(というか、いまの僕にはムリ・・)

ここから長いトラバースをして登山道を目指します。





意外に茶目っ気のあるゴッド師匠w




苦しい藪漕ぎトラバース。下は絶壁・・





ようやく傾斜が落ちた斜面をグイグイ降りていくと、山ガールがわらわらと行き交う人気の登山道へ合流。






なんとか終了〜!


オンサイトならずでしたが、チーフのど真ん中を貫くラインをなんとか突破できたのは純粋に楽しかった。人工登攀もやってみたけど、意外なことにあんまりモヤモヤしない。

この長大な壁の中央を縦に貫く、弱点を絶妙につないだラインがある。
ただ中間部に、どう工夫してもつながらない15mほどのブランクセクションが残る。そこを突破する手段としてやむを得なく設定した、ということがよくわかりました。(ま、実際は5.12だか5.13だかのラインはあるようだけど)

ま、5.12くらいが登れるようになると、フリーで上まで突破できるラインもたくさんあるので、未来の目標にしたいな〜。







久しぶりにゆっくりシャワーと洗濯をしてリフレッシュ。

夜はなんと、お世話になったGoemonご夫妻の自宅におよばれをして、美味しいご飯とお酒をしこたまご馳走になりました。




カナダでの生活から、ご夫婦の人生観まで、深夜まで話し込み、フッカフカのベッドで就寝。見ず知らずの僕たちをこんなに可愛がっていただいて、もうなんとお礼を言っていいのやら・・・(涙)。

スコーミッシュ滞在も、ちょうど折り返し地点。
雨やらトラブルやら波乱含みの前半だったけれど、いろいろな人の出会いに助けられて、充実した旅になっています。

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