2016年7月9日土曜日

長い旅のはじまり



出発の日。
残務整理やら送別会やらに追われているうちに、気づくとこの日を迎えていました。

朝から重いザックやかばんを引きずってエア・カナダのカウンターへ。
スコーミッシュへの旅のはじまりです。

僕たちの夢と希望とガチャとテントで怪しげに膨れあがったかばん達でしたが、なにごともなく検査を通り抜けていかれました。






無事にゴッド本様とも合流。

ここからはバンクーバーへひとっ飛びして、レンタカーをピックアップするだけ。車に荷物を投げ込んでさえしまえれば、あとはグーグルマップ任せの気楽な旅です。


どうやら出発が2時間ほど遅延するらしい。

レンタカーのピックアップには余裕をもたせておいたけれど、さすがに2時間遅れだと間に合わない。姿を現さなかったということで、キャンセル扱いになったらどうしよう。少しだけナーバスになる。

なにせテント生活なので、移動だけでなく、携帯やカメラの充電にせよ、貴重品の保管にせよ、すべて車が頼りなのです。






現地時間はすでに深夜。
仕方なくカスタマーサービスに事情説明のメールを書く。

担当者が明日の朝一にこれを読んでくれて、現地の貸出カウンターに連絡してくれることに小さな期待をかける。日本と違ってそんな几帳面なサービスはない気もするけど。


・・よくよく注意書きを見ると「返事には平均で2・3日かかります」とのこと。
やっぱりか!


ま、あとは行ってみるしかない。




梅雨模様の空へテイクオフ。


本を開くが、どこか気持ちが浮ついていてじっくり読むことができない。トポもあまり頭に入ってこない。

派手なアクション映画を見て無為に時間をつぶすうち、バンクーバー空港に着陸。


荷物を拾うと、早足でレンタカー屋へ。


「飛行機のディレイのせいで予約時間を過ぎてしまったんだけど大丈夫??」

「ノー、残念ながらダメだ」

「えええ!?」


・・驚いて担当者の顔をみるとニヤニヤしている。


ぬお、しょーもない冗談言いやがってww


細かい契約を確認している間も、ちょいちょいジョークをかましてくる陽気な担当者を根気よくいなしながら、無事に車をゲット。これで少し安心だ。





左端、ピカピカのシボレーです。
よろしくね!


右側通行に気をつけながら、広い幹線道路を抜けてバンクーバー市内へ。

まずはクライミングショップを二軒ほど物色します。





僕は買い替え予定だった60mロープを購入。
共同装備のガス缶やガソリンも調達。

MECは品揃えが豊富で価格も安く、ついつい時間をつぶしてしまう。

カムコーナーには、日本でも品薄気味のキャメロットUltralightが少し残っていました。
4番軽い!軽すぎるし!

そうこうしているうちに、後ろからさっと手を伸ばしたゴッドが、抜け目なくラスト一個の2番をさらっていった。
あ、俺も興味あったのにぃ〜w


ここからは真っ直ぐに伸びた幹線道路を抜けて、一路スコーミッシュへ。

道中、左右の道沿いには大きな花崗岩塊がゴロゴロと露出していて興奮する。
日本だと普通に開拓対象にしたくなる大きさですが、見向きもされていない雰囲気。




おお、チーフってのはアレですね!
デカイ!そして近い!


急いでテント場をおさえてダウンタウンへ。時刻はすでに午後6時すぎ。

ずっと食べ逃していた昼ですが、ひとまず外食でいいですよねと、乗り気でなさそうなゴッドを引っ張って小さな日本料理店「Goemon」へ。

なにもカナダに来て日本食を食べなくてもいいようなものだが、まだ初日で右も左もわからないから、話を聞けそうなローカルの人と繋がっておいた方がいい。

クマは出るのか、今の天気はどんな流れなのか。車上狙いはあるのか。とりあえず把握したいことはいくつかある。




気取らない美味しい家庭料理。何よりも店主ご夫妻がとてもフレンドリーで、近所の人が集うなじみの定食屋といった雰囲気です。

仙台出身という気さくで優しげな親父さんは、色々と話すうちに「二週間もいるなら、一度はパーティーにご招待しようかね。連絡先を教えておいて。」と、とてもありがたい申し出をくださいました。


初日にこの場所を訪れたことが、この旅における僕の最高のファインプレーだったのですが、この時の二人にはまったく知る由もありませんw





夜10時くらいに近い岩場に軽く偵察へ。
驚くことに、まだ登っているクライマーがいる。
この時間でもまだ空が明るいのだ。




ということで、駐車場の目の前にある岩のラインを1・2本トライ。

のっけから30m超のルートで、ここのスケールを思い知らされました。






チーフの麓で就寝。肌寒いが冷え込みは厳しくなく、思ったより快適に眠れそう。

空はどんより暗く、地面は濡れているようだ。
明日は登れるかな?

2 件のコメント:

  1. 御無事で何より。長い物語の始まりですね(笑)
    緯度が高いので、いつまでも明るいんですよね。寝る時間が少なくて良かったでしょ?

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  2. 海坊主さん、短くまとめますからご安心を〜、と言いたいところですがどうなるやらです(笑)
    日が長いのに、なぜかヘッデンになるのは塾生DNAなんでしょうか、、f^_^;)

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