朝、テントをたたく雨の音にも慣れてきたこのごろ。
ここの天気は変わりやすいから、小降りになったら出撃だな。
今日はMurrin Parkに行ってみました。
ここは、昨日行ったSmoke Bluffsと同様、アクセスが簡便でショートルートがコンパクトに密集しているナイスなエリアです。
日当たりがいいというMilkmanの岩場へ行くと、強そうなクライマーがすでに取り付いていました。
「ここは乾きがいいから、雨あがりにちょうどいいんだよ。濡れてるかって?まあクラックの中は水が残ってるかもだけど、全然登れるよ〜」
と男前なクライマーが話しかけてくれます。
おお、めっちゃフレンドリーな奴ダナ〜。
アップルートをトップアウトしてみたら、男前氏は隣でカメラインタビューをしています。
あれ、有名人なの?
看板ルートのHorrors of Ivan (5.11c)を撮影に使っている彼らは、
「すぐあけるからちょっと待っててね!」
と、しきりにこちらのことを気にしてくれます。
「あ、いや、そのルート、ワタクシには限界トライなので全然大ジョビ〜w」
神のビレイ中、ふと左を見ると、相方のクライマーが回収便を出しています。
ってよく見たらフリーソロww
上部で撮影用の支点をばらした相方氏は、そのまま
「じゃあダウンクライムするね」
5.11cのトラッドルートを、ゆっくり降りてきたのでした。
きょきょきょ、狂祖サマ〜!!
あっけにとられてるkozzzzyに、主役っぽい男前氏が色々と話しかけてくれました。
「俺たち日本には行きたいと思っているんだけど、なかなか行くチャンスがなくてね。どんな感じなの?」
「うーんそうだね〜。スケールはこんなにすごくはないけど、花崗岩のトラッドやマルチから石灰岩のスポーツ、高難度ボルダーまで、豊富なバラエティーが楽しめるよ!(凝灰岩とか安山岩とか何ていうのか知らんw)どれも東京から2・3時間の場所にまとまってるから行きやすいよ。」
「ああ、東京行きたいんだよね〜。日本は食事がうまいでしょ?寿司とかさ!あとホッカイドウにはアイスのいいルートがあるんだよね?」
「スコーミッシュはアイスのルートも沢山あるんでしょ?」
「スコーミッシュは冬も暖かくて、アイスクライミングはできないんだよ。この辺の滝は、真冬に一週間だけ凍ることがあって、そうなったら俺たちローカルクライマーがアックス持って飛びつくんだぜ。」
どうやら岩場を選べば冬もフリーができるようですぜ、奥さん。
彼はおもむろに車まで荷物を取りに行ったかと思うと、チョークバックやらキャップやらをくれました。
「どっちにするか二人で決めてね。日本でもジャンケンとかするの?こっちは、忍者、カウボーイ、クマってのがあるんだよ」
あのう・・ところでお名前伺ってもいいですか?プロでいらっしゃいますよね?
有名クライマーに詳しくない我々がおずおずと聞いてみると、
「俺はポール。アークテリクスっていうカナダのメーカーがあるんだけど(めっちゃ知ってます!)そこのクライマーなんだ。君は?」
あひ、名乗るほどのものでもないですけど・・kozzzzyと言います。こちらはゴッド。(とは言ってない)
ひとしきり撮影を終えた彼らは、週末に予定されてるアークテリクスのイベントがあるから是非来てね〜と熱心に誘ってくれ、会場のひとつへ通じるゴンドラのタダ券までくれました。
って、なんてフレンドリーなのよ!
※ちなみにこの時撮ったと思われるビデオを後日ハケーンしました。カッチョええ〜!!
「じゃあまた!たぶん週末のイベントで会えるよね?」
「イベント行けたら行くねっ!頑張ってね!」(神が露骨に行きたくなさそうなので目が泳ぐワシw)
そんなことで、彼らが帰ったあとにコソコソと本気トライ開始。
高すぎる1ピンと長いランナウト部分に恐れをなして、いつものごとく神に先行をゆずる勇気のないワシ。
で、僕はというと・・なんとフラッシュ!!
神のムーヴをガン見して、「レスト戦術をかなり工夫して、抜け口のランナウトの恐怖に耐えられれば、自分のパワーでも手が届くレベルだな」という読みがあたりました。
ずっと一緒にいたせいで、体に「神センサー」が装着されたようですw
思いがけず、3つの目標ルートのうち一つを一撃。
今日で持っている運を使い果たしたかもしれない・・。
次に奥の方にあるPetrifying Rockへ移動。
結構迷ってしまい、時刻はすでに夕刻。
取り付いたEven Steven(5.10d)は、不用意に落ちられないトラッドルートといった風情でした。ところどころある浸み出しやコケが足を滑らせるから油断ならない。
途中、無理な力を出しすぎたせいか手首を軽く痛めてしまったが、長〜い距離を慎重に上がってマントルを返すと、終了点からは思いがけず美しい夕景が望めました。
今日は半日雨でつぶれたものの、なんだかんだで楽しめたな〜。
ローカルクライマーと知り合えて、旅の楽しさが出てきました。連日の雨でモチベーションが低下気味でしたが、この岩場に行こうと言ってくれたゴッド本先生に感謝。
キャップをもらってまんざらでもなさそうなゴッドさま。
似合ってましたよ。いやマジで!
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