今日はMurrin Park、例の「爺さんハング」がある一角へ。
こんなに早く再訪できるなんて!
Granddaddy Overhangと最後の決着をつけるべく、詳細なムーヴメモを読み返し、気合を入れる。
1トライ目は、核心ラスト1ムーヴで足が滑る。
チャンスをモノにできないなんて、情けない・・。
神のビレイをしながら前腕の回復を待つ。
回収便の負荷も考えると、おそらく最終トライとなる2便目。
辛いパンプに耐えながら、ハング抜け口へ。
アンダーで高い足をつっぱり、上体を折りたたんだ体勢から左足を遠くに出す。
スリップしないようにつま先を強く踏みつける。
高いガストンを強いられている右手首が痛い。
腹にぐっと力を入れ、遠くの左手をそろりと取りに行く。
取れた!
ついに完登。
非力な僕の前腕は回復不能なくらいパンプしてしまったけど、届かないかもと思っていた目標ルートを落とせて嬉しい!
満足に浸っていると、下の道路まで物を取りに行った神が戻ってきた。
「kozzzzyさん、車動かしました?」
「え?いや?」
「車がないんですけど」
慌てて下へ降りると、土の上にタイヤを引きずったような跡が見える。
(・・・駐車違反?レッカー移動でもされた?)
周囲を探すが張り紙らしきものはない。
これはひょっとして・・盗難?!
中に入っているものを思い出す。
パスポート、財布、クレジットカード、新品のギア、ダブルロープ・・
もし車を盗られたとしたら、レンタカー会社に車両代金を請求されるのだろうか。
警察がどこにあるかもわからない。そもそもダウンタウンから郊外にあるこの岩場まで10kmは離れているだろう。どうやって移動しよう。
ゴッドが、車で公園を出ようとするクライマーを捕まえて交渉してくれ、キャンプ場までだったら載せていいよ、ということになりました。
いつも寡黙なサムライなのに、こういう時のコミュニケーション能力は高い!
テント場に自分たちのザックを残置。さらに路肩を40分くらい歩いてダウンタウンへ向かう。
標識によると、警察署はダウンタウンよりさらに数km先にあるらしい。
時計はすでに16時半を回っている。
今から警察署に歩いて行って閉まっていたらどうなるだろう。
明日は土日だから、最悪、月曜日まで詳細がわからない、という事態になったらピンチすぎる。
ふと、初日に行った和食屋のご夫婦の顔が目に浮かぶ。
あの人たちだったら、この辺りの事情を知っているかも。
ダウンタウンの方向に道を入り、かき入れ時のGoemonへ入る。
カウンターで忙しく寿司を握っていたおかみさんが、尋常じゃない様子を見てとって話を聞いてくれた。
やはり警察に行くのがよさそうだ。24時間対応してくれるらしい。
お礼を言って立ち去ろうとしたところで、
「ところで、足はあるの?警察遠いわよ。」
優しいおかみさんは、ちょうど5時上がりの日本人スタッフHさんに、僕たちにアテンドするように言ってくれました。
その後、警察署に向かった我々。
Hさんが、時間外窓口で消えた車のナンバーを伝えると・・
あった!あった!ありました!
やっぱりレッカー移動されていたのでした。
レッカー会社に電話をして、重機と廃車があちこち残置されている町の外れの空き地へ。
作業員らしきおじさんが高級車をレッカーで動かしているところでした。
Hさんのお子さんをあやしながら待つこと30分。
我々の愛車をついに取り戻しました。
停めた場所は思いっきり駐車禁止だったのでした。5分歩けば駐車場があったのに、色々な人に迷惑をかけてしまい、本当に情けない・・。
帰宅されるHさんに何度も何度もお礼を言い、閉店間際のGoemonへ。
無事に車が見つかったことを報告すると、夫妻は我が事のように喜んでくれ、もう店じまいだというのにご飯を用意してくれました。
これくらい困ってないから食べて行きなさい、とお代すら受け取らずに出してくれた鳥丼。大の社会人が、こちらの不注意でただただ迷惑をかけたというのに、ここまでしてくれるなんて。
今まで食ったどんな定食よりも体にしみる味でした。
聞けばお子様はみんな国外で生活されているようで、自分達は子供が困っていても助けてあげられないから、きっと誰かがこうして助けてくれることを願っているとのこと。
日本で困っている人がいたら親切にしようと心に誓ったのでした。
明日は、どうやら待望の晴れ。天候は終日持ちそうだ。
ようやく、壁の上まで抜ける長いマルチにトライすることができそうです。
長い長い1日だったけど、明日は充実した日になるといいな。
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