2016年7月15日金曜日

雨降って


今日はMurrin Park、例の「爺さんハング」がある一角へ。

こんなに早く再訪できるなんて!
Granddaddy Overhangと最後の決着をつけるべく、詳細なムーヴメモを読み返し、気合を入れる。





1トライ目は、核心ラスト1ムーヴで足が滑る。
チャンスをモノにできないなんて、情けない・・。

神のビレイをしながら前腕の回復を待つ。





回収便の負荷も考えると、おそらく最終トライとなる2便目。

辛いパンプに耐えながら、ハング抜け口へ。
アンダーで高い足をつっぱり、上体を折りたたんだ体勢から左足を遠くに出す。
スリップしないようにつま先を強く踏みつける。

高いガストンを強いられている右手首が痛い。
腹にぐっと力を入れ、遠くの左手をそろりと取りに行く。

取れた!





ついに完登。
非力な僕の前腕は回復不能なくらいパンプしてしまったけど、届かないかもと思っていた目標ルートを落とせて嬉しい!





満足に浸っていると、下の道路まで物を取りに行った神が戻ってきた。


「kozzzzyさん、車動かしました?」

「え?いや?」

「車がないんですけど」


慌てて下へ降りると、土の上にタイヤを引きずったような跡が見える。

(・・・駐車違反?レッカー移動でもされた?)

周囲を探すが張り紙らしきものはない。


これはひょっとして・・盗難?!


中に入っているものを思い出す。
パスポート、財布、クレジットカード、新品のギア、ダブルロープ・・
もし車を盗られたとしたら、レンタカー会社に車両代金を請求されるのだろうか。
警察がどこにあるかもわからない。そもそもダウンタウンから郊外にあるこの岩場まで10kmは離れているだろう。どうやって移動しよう。


ゴッドが、車で公園を出ようとするクライマーを捕まえて交渉してくれ、キャンプ場までだったら載せていいよ、ということになりました。
いつも寡黙なサムライなのに、こういう時のコミュニケーション能力は高い!

テント場に自分たちのザックを残置。さらに路肩を40分くらい歩いてダウンタウンへ向かう。

標識によると、警察署はダウンタウンよりさらに数km先にあるらしい。
時計はすでに16時半を回っている。

今から警察署に歩いて行って閉まっていたらどうなるだろう。
明日は土日だから、最悪、月曜日まで詳細がわからない、という事態になったらピンチすぎる。

ふと、初日に行った和食屋のご夫婦の顔が目に浮かぶ。
あの人たちだったら、この辺りの事情を知っているかも。




ダウンタウンの方向に道を入り、かき入れ時のGoemonへ入る。
カウンターで忙しく寿司を握っていたおかみさんが、尋常じゃない様子を見てとって話を聞いてくれた。
やはり警察に行くのがよさそうだ。24時間対応してくれるらしい。

お礼を言って立ち去ろうとしたところで、

「ところで、足はあるの?警察遠いわよ。」

優しいおかみさんは、ちょうど5時上がりの日本人スタッフHさんに、僕たちにアテンドするように言ってくれました。

その後、警察署に向かった我々。
Hさんが、時間外窓口で消えた車のナンバーを伝えると・・


あった!あった!ありました!
やっぱりレッカー移動されていたのでした。


レッカー会社に電話をして、重機と廃車があちこち残置されている町の外れの空き地へ。






作業員らしきおじさんが高級車をレッカーで動かしているところでした。
Hさんのお子さんをあやしながら待つこと30分。

我々の愛車をついに取り戻しました。

停めた場所は思いっきり駐車禁止だったのでした。5分歩けば駐車場があったのに、色々な人に迷惑をかけてしまい、本当に情けない・・。

帰宅されるHさんに何度も何度もお礼を言い、閉店間際のGoemonへ。
無事に車が見つかったことを報告すると、夫妻は我が事のように喜んでくれ、もう店じまいだというのにご飯を用意してくれました。




これくらい困ってないから食べて行きなさい、とお代すら受け取らずに出してくれた鳥丼。大の社会人が、こちらの不注意でただただ迷惑をかけたというのに、ここまでしてくれるなんて。
今まで食ったどんな定食よりも体にしみる味でした。

聞けばお子様はみんな国外で生活されているようで、自分達は子供が困っていても助けてあげられないから、きっと誰かがこうして助けてくれることを願っているとのこと。
日本で困っている人がいたら親切にしようと心に誓ったのでした。






明日は、どうやら待望の晴れ。天候は終日持ちそうだ。
ようやく、壁の上まで抜ける長いマルチにトライすることができそうです。

長い長い1日だったけど、明日は充実した日になるといいな。

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