2014年8月31日日曜日

小川山 <レモンとそらまめと私>


週末もまたまた天気が怪しい。せっかく仕事と家族サービスを終わらせて予定を空けたのに!ついに「ジムでお茶を濁すなら、いっそ山で濡れている方がいい」という末期状態におちいった。

最初はKSさんを誘ってミズガキへ行くつもりだったが、双葉SAで雨が降りはじめ、先行しているshuuyamaさんや海坊主さんパーティーから小川山の雨天情報が入る。

ミズガキのワイドはもうダメだなー。
早々に出鼻をくじかれ、サービスエリアで1.5時間ほどふて寝して、小川山へ転戦。駐車場はガラガラだったが、海坊主さん、mfさん、STさん、shuuyamaさん、SNさん、マルチ講習組・・と、こんな日に来ている塾生の多いこと(笑)。






(人気のセレクションもさすがに無人)

簡単なマルチでもということで、南稜レモンへ。屋根岩3峰へダイレクトに出ようとして、2峰への踏み跡を大きく左へトラバースする分岐に従って行く。抜けてみると、なんと4峰より向こう側。全身水浸しになりがながら、なかば藪漕ぎで3峰へ戻る。

思えばこの辺からあったのですよ。トホホな予感が・・

ロープバッグからロープを出すと、出てきたのはシングルロープ。あれ?キミ?呼んでないけどなんでいるの?

心優しいKSさんは、「ダブルとシングルって径が違うけど、できるかな?大丈夫かな?」とか、一生懸命考えてくれましたが、懸垂などを考えてもトラブルの予感しかしないので、シングル1本で行くことに。まあ上部は省略して3Pならナントカなるはず。キレイなクラックのある1・3PはKSさんにお任せ。こんな日にクライミングできただけでもバンバンザイなりー。

1P目、フォロー中に小雨がぱらついてきたが、終了点は木の下にあってKSさんは濡れなかったようだ。(僕はがっつり濡れたw)

2P目。途中で難渋しているとKSさんからアドバイス。「あの、サブザック持ってますよ~?」うそん。どおりで体が重いと。ザックを途中に残置し、プアプロ気味のトラバース。激しく屈曲するルートでシングル1本は厳しかったが、自分で責任を取れてよかった(笑)

3P目は星付きのvarルート。
リード中のKSさんが途中で振り返って、「オフィズスですねー!」と驚きの声。マルチピッチルート集には「カムはハンドサイズまで」というようなこと書いてあったので、ラージカムを取り付きに置いてきました。(途中のボルトを使えばいらないってことか?)難しければ一旦ピッチを切るなり敗退するなりしましょうと伝えたが、4番カムが効いたようで、苦労しながらトップアウト。



フォローの僕はサブザックがつかえて上手くすすめない。はげしく疲労する体勢をこらえて、大量のカムをじゃらじゃらと右へ回していたときに、下の方でカラン!という音が聞こえた。ふと見ると青カムがない。

うげげげ、落とした!またやった!青カム3個目だし!だからサブザック持ってくるのイヤなんだよー!うわーんオフィズスのバカヤロー!(←全部自分のせい)
気持ちが切れて、フォローなのをいいことにロープのテンションに助けられながら投げやりトップアウト。天気も微妙なので、後半は省略して下降開始。

まず25m降りて、3P目の取り付き付近へ。




んん?何かが見える・・



立ち木の枯れ枝に、さっき落とした3番カムが見事に引っかかっていた!
奇跡すぎる!持ってるオレ!

ところが、気がつくとさっき外したビレイグローブがない。またまた自己嫌悪に陥りながら、下を覗くと次の懸垂点付近になにやらグローブらしき物が・・。




素手で懸垂し、手袋を回収。前回、巨大落石に見舞われたショートルートの終了点でセルフをとる。今回はラインを工夫したので落石は大丈夫なはず。




ところが今日はそんな甘い日ではなかった。引き抜いたロープが見事に途中のフレークに巻き付いてスタック。
仕方がないので、反対側のロープでビレイしてもらい、カムをきめながらリードして上がり、スタックを解いてから慎重にクライムダウン。

最後はKSさんに先に懸垂下降してもらったものの、30mルートだったようで、ロープの伸びとライン取りの工夫でギリギリ着地。ここからは1Pで行けますよ(キリッ!)とか言っていたのに面目ナス・・

これでKSさんはお腹いっぱいということでしたが、僕はあまりにもつまらなかったので(3P目とかまともにやってないし、テーピングも新品状態だしw)、夕刻に小雨が降る中、カンタンなショートルートを2本やっつけようやく納得。





恒例のヘッデンでございました。
夜は雨にもかかわらず、shuuyamaさん、SNさんの山岳会ご一行もまじえてワイワイ宴会。近くに座った女性がよろめきで会った人だったりして、変態の世界は狭い。とても楽しかったのは、こんな雨の中、突っ込んできてしまった同士の連帯感なんでしょうかw

明日はミズガキ、たぶん行けないだろうけど、気まぐれな前線が南海側に逃げることを願って、おやすみなさい。

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<以下は記録>

◯ 南稜レモン 5.9var 下部3P(上部は省略)

・ 1P KS OS
南稜神奈川と共通。フェース面が濡れていたのが怖かった。

・ 2P kozzzzy OS
ルーファイ核心。
講習で南稜神奈川に行った時から興味があってオブザベしていたのだが、当時はルートがよくわからなかった。それ以来、遠目に見てあの辺だろうなーと見当はついていたが、行って見るとやはり分からない(笑)。どこかで右側のカンテの裏側に出ていくのだけど、途中でカムが取れない上に、下手をすると片道切符なので、ラインを絞り込みにくい。
反則ですが「登りこまれた痕跡」を細かく観察。ここしかないと思ったところでエイヤっとトラバースしたら、反対面のルートがつながっていました。(初登者はよくここを行こうと思ったもんだ!)

ビレイヤーが見えない場所で激しくランナウトしたあげく、うっかり雨で濡れたスラブを登って完全に行き詰まったが、必死にクライムダウン。ラインを変え、なんとか終了点へ。

・3P KS OS
ハンド~オフィズスになるキレイなクラック。これが5.9なの?という感じだけど、ワイドだから辛く感じるのでしょう。フォローの僕はテンションに頼ったような気がしなくもないけど。

◯ そらまめハング 5.10c OS
KSさんはぴりっと辛いようなことを言っていたのだけど、僕にはリーチがぴったりあったようで、ホールドは遠すぎず近すぎず、快適。

◯ ソラマメ 5.9+ OS
2年前の講習時に、となりの「やわらかソラマメ」で難渋。さらに厳しそうなこのルートを見て、どうやっても登れそうな気がしなかった。それ以来ずっと気になっていたのですが、やっと挑戦する機会が来ました。小雨が降っていて怖かったけど、無事にOS。成長したのね。


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(ヤマレコのログより転載・加筆しました)
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-503167.html