翌朝は暗いうちに起床。
お盆休みの土曜日。ピーカンの別山尾根ともなると、わんさか登頂者が出るにちがいない。タテバイや前劔での大渋滞だとか、下手したら落石を食らうなんてことも予想される。
弟を急かして4時に出発。
雪渓をそろそろ渡り、剣山荘で準備運動している団体客を追い越しずんずんと高度を稼ぐ。今日は荷物が軽いね〜。
すでに多くの登山者が登り始めている前劔のガレた斜面を慎重に通過。
あちこちで落石を起こしている音が聞こえるので、油断できない。
こういう部分は一般ルートの方が気を使いますね。
前劔を通り過ぎてしばらく行くと、そろそろクライミングぽくなってきます。
最後の岩峰をこえると、平蔵谷の向こうにカニのタテバイが見えてくる。
弟には先行者に近づきすぎることがないよう注意をして、先に行ってもらいます。
まあここまで見た感じ、落ちるようなことはないだろう。
ワシは撮影係として待機。
どこにいるかって?
もう混み始めていますね〜。
そんなこんなで6時半にトップアウト!
ここ数年で登山に目覚めた弟は、劔山頂を踏んでとても嬉しそう。
おめでとう!念願がかなってよかったな〜。
ワシは・・別山尾根はもう飽きた!(爆)
まあ、いつか息子を連れてくるときにまたいくのかな〜。いくんだろうな〜。
同じルートを何度も何度も往復するガイドさんは凄い!
今朝の劔は珍しいくらいの快晴。まだガスも上がってきていない。
後立山や槍、南ア、八ヶ岳・・富山湾や富士山までうっすら見える。
お前ラッキーやな!こんなこと中々ないんやで〜!となぜか威張る兄。
そんなこんなで1時間弱すごして下山。
振り返るとカニのタテバイにはすさまじい数の団体客が長蛇の列をなしている。
あれじゃ30〜40分待ちかも?
早く通過してよかったあ。
強い日差しの中をザクザクと降り続け、テント場帰着。
ふう。引率業務も無事完了!
さて明日からは自分のクライミング。
ここで合流予定のはらりさんがくるのを待つばかりです。
ところが弟が「このまま雷鳥沢に戻る」というので、僕もテント・登攀装備はここに残置したまま、一旦雷鳥沢まで戻って家族と過ごすことにしました。
劔御前を何度も往復するのは面倒だけど、補給も気になるからね〜。
てなわけで再び雷鳥沢へ。
ひと仕事終えた開放感で酒がうまい!
下で待っている両親のことを思えば、何があっても弟を無事に降ろさないといけない、という見えない緊張感。自分には物足りない登山道でも、クライミング素人の弟を連れて行くとなると、やはり難度が高いルートでした。
さて明日からは、待ちに待った自分の山。
三年越しの思いがつまった八ツ峰があの向こうにある。
さて、僕はどこまで頑張れるようになっているだろうか。
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(剱岳別山尾根の記録)
8/8
雷鳥沢 10:00
劔御前小舎 11:30 11:45
別山北峰 12:15 12:30
劔御前小舎 13:00
劔沢テント場 13:40
8/9
劔沢テント場 4:00
劔山頂 6:30 7:20
劔沢テント場 9:40 11:00
劔御前小舎 11:40 12:20 昼食
劔山頂 6:30 7:20
劔沢テント場 9:40 11:00
劔御前小舎 11:40 12:20 昼食
雷鳥沢 13:20
反省点:慣れない長期山行だったので、装備の過不足について学びがありました。
・長期の場合、食料は妥協しない。着替えはまだ妥協できる。
− 2・3日なら食事が少なめでも我慢できるけど、後半バテてくるので食事は大切だと知りました。
− 夕食では1.5〜2食分は食べると思って計算した方がよい。また炎天下の長時間行動を考えると、行動食も少し多めに必要だった。
− 夜はシュラフ#5、カバーなしで大丈夫だった。寒かったけど。
− 料理のレパートリーを増やしたい。パスタは美味しいけど、茹で汁の処理に困った。
− 雨天対策で着替えは必要だが、まだまだ減らせる。ビビって持ちすぎ。− 夜はシュラフ#5、カバーなしで大丈夫だった。寒かったけど。
・コッヘル大はほとんど出番がなかったが、フタが何かと役に立った。
・ストックは持ってきて正解。長い長い下り坂で重荷を背負って降りるのはかなり辛い。
・日焼け止め必須かも。火傷した。
・アーミーナイフは使わなかった(必要ならペツルのナイフがあった)
・アイゼンをアルミ8本爪にする、テントをツェルトにする、など軽量化の検討の余地あり。
・携帯電池のバッテリーは多めにあってもいいかも。切れると致命的。
・登山靴が合わないと最後の方でめちゃめちゃ辛くなる。次は工夫しよう。
全体的に、「なんとなく使うことがあるかも」「なんとなくこれくらいでいいかも」というノリで準備していましたが、もう少し詳しく用途を考えて絞ることが大切ですね。あたりまえか・・。
カニのタテバイはII〜II+級程度かな?ただし最後は鎖のラインを外れ、弱点とおぼしき右の凹角から上がりました。鎖のラインは、おそらく落石を起こさせないようにあえて凹角を迂回して垂壁を登らせているのかなと思いました。ヨコバイはトラバース後半の一箇所が悪くてII+〜III級程度あるかも。別山尾根全体では、鎖を無視すれば、大キレットとだいたい同じくらい、奥穂〜西穂よりは簡単な感じかしら?
パスタはペンネに替えると調理が楽ですよ。湯がきすぎても柔らかくならないので。
返信削除あと、乾燥重量の1.8倍くらいのお湯で湯がくと、ペンネがお湯を吸ってほとんどお湯が残りません。こっちは要事前実験ですが・・・一度お試しあれ。
海坊主料理博士!知りませんでした〜。今度やってみます^^
返信削除長期戦ではごはん大切だなと実感しました。