槍ヶ岳を下山すると、土日のクライミングパートナーから「風邪によりキャンセル」との連絡。あらら・・お大事になさってくださいね。
次がSTさんからのメール。
「屏風岩に行きたいのですが、空いていませんか?」とのお誘い。
おお〜!たったいま空きました〜!\(^o^)/
てなわけで帰宅の翌日、中央道をふたたび戻って瑞牆へ。
早朝の植樹祭は、凍えるような寒さです。
もちろんSTさんとkozzzzyのヤル気が寒気ごときでしぼむはずはなく、予定通り屏風岩へゴー。こういう時にバシッと希望を貫いてくれると、ビレイヤーとしても燃えるってものですよね〜!(腕まくり)
アップの後、持ってきたウェアを全て着込んでビレイ。
STさんはよろめきクラックとの決着を狙っておられます。
あら?もしかしてSTさんワイドムーヴがうまくなってる!?
あっさりと目標攻略〜。
おめでとうございました!!
すげー。
俺も久しぶりにやろっかな〜。
「もちろんkozzzzyさんはアプリオリやりますよね?」とSTさん。
ルートを覗きに行ってみると、そこは冷たい風がピューピューと吹き抜ける狭いコル。
この一角だけツンドラ気候になっています。
マクド◯ルドのアルバイトをしていた時に、小部屋サイズの業務用冷凍庫があったことを思い出しました。冷凍ナゲットを取りに行くの、ほとんど罰ゲームだったよな〜。
歯の根を震わせながら戻る。
「いやいや、これくらい大丈夫ですよ〜!」
と気持ちの良いSTさん。
・・ガチャリ(退路が閉ざされる音)
30分後、気がついたらアプリオリに取り付いている自分がいました。
ワイドから小さなハングを超えてフェースに出るあたりが、見た目にも明らかな核心部。ここにマイクロカムやナッツを固め取りし、何度か試登してはクライムダウン。
2m先に見える甘いクラックにジャムが決まるまで、足元のプロテクションに耐えてフェースを行かねばならない。
寒さに耐えかねて出撃すると、今度はパンプとランナウトの恐怖に心を折られ、再びレストポイントへ降りることを余儀なくされる。指の感覚がなくなってきて、カチが持てているのかもよくわからない。
取り付きを見ると、ありったけのダウンにくるまったSTさんがこちらを見ている。
ゆっくり登ってください!と声援を送ってくれているのだが、さすがに寒そうだなー。
クラックが切れているせいで、得意のエイドすらかなわない。
ええい、しかたない。せっかく来たんだ、上まで行こう!
もう降りられない。
なんとかカムを取り、続くクラックへ突入。思ったより悪い。
もう早く終えたいという一心でひたすら上を目指す。
風が荒れ狂う音を聞きながら、最後のマントルを返す。
あれ?あれあれ?・・完登!
まさかの5.11aクラックオンサイト!!
二人で喜びあいました。
STさんのビレイのはずだったのに、僕までお土産をもらってしまいました^^;
日が当たるサイドに出て、お互いに愛好会ルートをトライ。
駐車場に降りたところでまだ3時半。
ってことで、お互い気になっていた前烏帽子岩に探検に出かけてみました。
おお〜、これがあの水平飛行かあ!
かっちょいいねえ〜。
結構いいクラックがたくさんあるでないの?
てなわけで、ミズガキは予想以上にたっぷり遊べました^^
今までさんざん濡れに泣いたことを思うと、寒さくらいならね。
燃えるモチベーションと貼るカイロがあれば、まだまだ楽しめそうですよ。
STさん、1日ありがとうございました〜!
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(本日の成果)
エンペラートラバース下部 アップ
アプリオリ(5.11a)OS えのきど先生によると体感5.10dだとか。確かに甘い。でも嬉しい〜!!
不動沢愛好会ルート(5.10a)再 いつ登っても楽しいよねー。
・下部がワイドだから軽装で突入したのだけど、レスト中ずっと震えていました。クライミング中に初めて「疲労凍死」という言葉について考えましたw これからは服装とかカイロの枚数とか考えようっと。
・"a priori"って、先験的っていう難しい概念ですが、「言わずと知れた」「説明の必要がない」くらいな感じの軽いニュアンスでも使うようですね。数学用語として時々使っていた記憶があるんだけど、全然意味を履き違えたまま卒業してましたw 「核心は言わずとも明らか」・・ってことなんでしょうか?