2015年10月30日金曜日

冬のおとずれ


翌朝は始発バス目指してとっとと下山。





暗く重たい雲、ごうごうという風のうなりが、天候の崩れを感じさせる。
昨日までとうってかわって、空気は肌を刺すように冷たい。

今ごろ稜線の小屋にいたらどうなっていたことやら。




それでも明神岳はキレイなモルゲンロートを垣間見せてくれました。


ザクザク降りるとあっという間に上高地へ。
穂高の稜線は厚い雲の中でした。

閑散としたバスターミナルの土産物屋で、「槍のお土産がないよ〜」と悲しむジョー。

まあ上高地だからねえ。だから槍ヶ岳山荘で買いなさいってあれほど・・





天気は北からどんどん悪化してきて、駐車場に着く頃には細雨がぱらついていました。

帰りは松本のGSまで寄って給油。
例のおじさんに無事登山できましたというご報告とお礼をしました。




ココロも満タンに・・・出光石油でした(笑)。

真っ先に車の調子を心配してくれたのはプロ魂ですね〜。
本当にありがとうございました。

なんだかんだで、心温まる山旅だったなあ〜。



・・と思ったら帰り道で覆面様にやられ、財布が厳冬期入りしたのでした。


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<行動記録>

10/28
上高地ターミナル 12:30
河童橋      12:40 - 12:50
明神       13:15 - 13:20
徳沢       13:55 - 14:10
横尾       14:50 - 15:00
槍沢ロッヂ    16:00
(行動       2:30)

10/29
槍沢ロッヂ    4:45
坊主岩小屋    7:40 - 7:45
槍ヶ岳山荘    9:00 - 10:00 装備装着、最終確認等
槍ヶ岳山頂    10:50 - 11:30
槍ヶ岳山荘    11:50 - 12:40
槍沢ロッヂ    14:50 - 15:15
徳沢園      17:00
(行動       12:15)

10/30
徳沢園      5:45
明神       6:15-30
上高地ターミナル 7:00
(行動       1:15)


<感想と反省>

個人的には何度も行った槍沢ルート、稜線までは夏山に毛が生えた程度の一般道。新しい挑戦は何もないように思えたのですが、大人気の山域を貸し切りで満喫するというレアな体験ができました。難易度と関係なく、山は単純に楽しいですね。記録が少ないこの微妙な時期、北アのコンディションを肌で感じられたのが大きな収穫かな。誘いがなければ、こんな時期に山に行こうなんて決して思わなかったので、ジョーに感謝です。(って見てないと思うけどw)

・今回のコンディションに限って言えば、坊主岩小屋あたりから稜線まではチェーンスパイクがあれば十分。穂先以外は特に危険を感じる場所はありませんでした。

・穂先への装備としては、アイゼン、シングルアックスに加えて、30mロープとハーネス、鎖支点が出ていることを当てにしてクイックドローを持って行きました。装備としては特に過不足を感じることはなかったと思う。雪が深くなると、よりアルパイン的な準備がいりそうです。

・冬山と夏山の天気が入れ替わるこの時期は、天候の読みが大切だと痛感。最悪の想定としては、急な大量降雪による雪崩、みぞれに打たれての濡れながらの行動、ホワイトアウトによるルートロストなど、いろいろな状況を心配していました。実際は悪天日の合間を縫って行動したことで大きなリスクは避けられたように思う。29日はほぼ春山でしたが、翌日の山荘ブログを見ると大変なことになっていたようですね。

・またジョー氏の歩行技術がしっかりしており、登行スピードも想定よりかなり速かったことで、計画に余裕ができたことも大きかったです。

・唯一、反省というか判断に迷ったのは、穂先での判断。ロープを出すべきじゃないかとは考えました。彼自身は非常に足取りが安定していた上に、「ロープがなくてもいける」という明確な意思を伝えてきていたので遠慮したのですが、僕の感覚では「できればロープを使ってほしい」と思うコンディションでした。あくまでオウンリスクという共通理解だったので、最終的には彼の判断を尊重しました。

・彼の判断で事故をおこしてしまったら、それはどうしようもないと思う反面、やはり後悔するだろうと思います。(色々と迷惑もかかるし、奥さんも知っているし)。彼が「連れられ登山」のメンタリティにならないように、あえて自分の判断で登ってくれという側面を強調していたのですが、穂先だけはリーダーである僕の判断でロープを出すからね、と伝えても良かったように思います。

・この辺は、雪山リーダーとしての力量が全くない自分が、素人の「連れて行って」リクエストに応えようとしたことによるジレンマなのかもしれない。自分は全てに責任を持つリーダーなのか、彼の山行パートナーなのか、微妙な立ち位置でした。

・いずれにせよ、僕自身に人の面倒を見る技術と力量がないので、どんなレベルだかわからない人を山に連れて行くような登山は今後やらないと思います。ある程度の経験値や安全感覚を共有しているということが定かではない人と、練習山行を一度もせずに雪山に行くべきではないのですね。

・反省といえば運転。タイヤだけでも十分痛いのに、追い越し車線走り続けたら違反だなんて〜(涙)。確かに早く帰宅したくて急いでいたので、自分が悪い。軽微な違反ですんだだけよしとします。これからは安全運転キャンペーンに努めよう。

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