2015年9月22日火曜日

癒しと試練の花崗岩②


さてさて、ツルムへ到着。

出だしは落ちられないフェースムーヴになりそうだけど形状は豊富。
上にはすっきりした美しいクラックが見える♪

花崗岩ってのはええの〜。






ここはバリエーションのツルムクラック(5.10a)を通る予定でした。


・・だがだが、トポは置いてきたので詳細がわからな〜い!


ルーファイに悩んでいると「どこでも好きに登っちゃってください」と聞きなれた指示が。

ん・・?じゅ、塾長ぉ〜!?






パートナーが口にしていたのは、すあま・・ではなくエナジーバーでした。

眠気のあまり幻覚を見たようです(笑)






このライン、僕がリードしたピッチの中では最高に充実した内容でした。
今までやったマルチの中で一番爽快だったかも。

ワイドあり、スラブあり、ハングあり。高度感も素晴らしく、落ちられないセクションも多々。荒い花崗岩のフリクションは抜群に良く、とっても楽しい!






ツルムからは短い懸垂でP2下部へ。

見ての通り岩が崩壊。
IV級の出だしが、いまや5.10dの大ハングになっているらしい。
トポにはA1とまで書いてあるし。


カムの座りも悪く、ジャムも甘そうで、正直オンサイトでいける気がしない。
なんだかハングの岩も落ちてきそうだし、やめといたほうがいいカモ・・





何を言うか!神に不可能はないのじゃ〜。

ナッツと怪しげなマイクロだけでハングを越えていかれました。

僕はフォローですら自信がないので、ザックを釣ってもらいます。






さらばザックよ。達者でな!

ムーヴもわかっていて、トップロープだから行ったようなものの、初見だとかなり怖かったはず。神よ、お導きありがとうございまする〜。






P2上部にもなると高度感が半端ない。

ほら、こんなところにも、あんなところにもクラックが!(大興奮)





ふたたび懸垂を経て、P1下部へ。
このルートはピークに立つたびに懸垂をするという構成なのですね〜。

最後は神のチムニー登りをフォローして終了点へ。






このあと、いちおう頂上を踏もうとウロウロしたのですが、いまいちパッとした場所に出られず。





ロープを出しながらそろりそろりと戻ってくることになり、時間をロスしてしまいました。さらに懸垂からの帰還が結構手間取り、ザック置き場へ戻った時点でバットレスは断念することになりました。(うーごめんなさい・・!)


明日リベンジしますか〜?と伺うも、
「最終日はもっと東に行くのがいいでしょう」という冷静な意見で、鳳来へ行くことに。


それなら今日のうちに現地へ行こうと思ったが、うっかり入った温泉が健康ランド。




1800円も払ったからには寝ていこうという話になりました(笑)。

てなわけで、久しぶりに建物の中で熟睡。明日は登れる体力があるのかな〜。


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(本日の成果)


御在所岳 中尾根

裏道登山届ポスト 4:45
藤内小屋     5:15 - 5:30
藤内壁出合    5:45
バットレス    6:15 (この間、ザック残置場所などの判断を迷ってさまよう)
取り付き     7:35

1P   7:35 - 8:40?   S本    狭き門(5.10a) 
       8:40 - 9:00         短いトラバース、小休止
2P   9:00 - 10:00?  kozzzzy  ツルムクラック(5.10a)
      10:00 - 10:40         トラバース+懸垂、小休止
3P  10:40 - 12:00   S本      P2下部 崩壊ハング(5.10d)
4P  12:00 - 12:45? kozzzzy  P2上部(V級)
      12:45 - 13:05      懸垂下降
5P  13:05 - 14:00  S本    P1(V+級)

14:00 - 15:00 頂上岩付近へ登高、大休止
15:00 - 15:45 P1終了点まで下降(2ピッチ)
15:45 - 17:25 懸垂下降4回、トラバース1回(5ピッチ)

撤収     17:25 - 17:45
藤内小屋   18:30
下山     18:55

*登攀はすべてオンサイト、終了点・懸垂点以外は残置無視
*グレードは日本マルチピッチルート図集を参照


今まで行ったマルチの中で一番楽しかった!
クラッカーの皆さん、これは超オススメですよ〜♪
スーパーレインや調和の幻想よりも楽しさでは上回るかと思いました。

P2の崩壊ハングを除き、同グレードのピッチが交互に出るので、先行後攻どちらでも退屈しないです。
粒子が大きい花崗岩(瑞波よりザラザラ!)だからフリクションが抜群、しかもずっとクラック伝いに尾根を登り、そのまま各ピークに登れるという理想的なルート。

ルートで唯一残念だったのが、ハンガーボルトがバカスカと打たれていること。
とくにP2はボルトの山で、綺麗なクラックの隣にずっとボルトが続いていました。甘く見積もってもブランクセクションの2本があれば十分だと思います。(全くなくても十分リードは可能だと思うが)

反省点はやはり時間。僕がもたもたしてせいもあって、バットレスをやる時間が全くなくなってしまったのが、ホント申し訳なかったなあ。。

・ロープ操作の手際、とくに連続懸垂下降の手際やタクティクスについては、もう少し洗練させる余地があったように思いました。ここは大きな反省です。
・また、ルーファイに随分時間をかけました。結果的に間違いは一つもなく、というか我々の読みは全部ドンピシャだったのですが、それでもルーファイの過程で随分と時間をロスしたように思います。こういう時間をセーブするためにどれくらい事前にルートを調べていくべきなのかなあ、ということは毎回悩むところです。今回はマルチピッチルート図集のトポを参考にした程度だったので、この1本を考えると非常に充実したのですが、バットレスを考えると・・うーん。

問題の核心は5.10dというウワサ。オンサイトだったら僕は無理でした。(二度目でもリードだとギリギリかも)。狭き門(5.10a)のオフィズスハング越えも含めて、厳しいピッチばかりを担当してくれたおかげで、僕は楽しいピッチばかりをやらせてもらいました。神サマ、本当にありがとうございました〜!

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