土曜日は家族の用事。日曜日だけでもクライミングしたいなーと思っていたところ、日曜日空いているというはるるさまからご連絡が。
おおう、ぜひ行きましょう〜!
「クラック、それもハンドサイズ希望」というお話。ふむふむ。
さっそく一緒に行けそうな場所を100岩やら瑞牆本で調べていき、最終的には勝手がわかる場所ということで、屏風岩になりました。
はるるには、おしんや不動沢愛好会ルートあたりのハンドクラックをやってもらい、僕はJECCルート(5.11a)にトライしようかな、というプランです。
そうそう、このために海坊主さんに60mロープを拝借させていただきました。(ありがとうございます〜)
お互いのんびりとアップをして、昼ごろから本気トライ。
んで、そのJECCルートがですよ。
なんと全長
45m。
あの長い長いと言っていた春うらら1P目が30m。
城ヶ崎なら何本分だよ!
まーでも、短くてパワフルなのより、長いのをじんわり登るのは得意だもんね♪
もちろん何が来るかわからないので、マイクロから6番までありったけ持参です。
キャメの0.4〜0.75番は禁断の3本持ち!
あまりに多いので、ナッツだけは勘弁してやりましたけどw
長ビレイ必至ということで、ビレイヤーはるるには全ての防寒具をご提供しました。
なんせ今日の不動沢は寒いのよ〜。
-------------(以下は顛末記。OS注意)--------------
さて、ワイドから順調に高度を稼ぎながら上がっていく。ゲロ重い・・。
クラックに入ったあとは、カムを次々に回収しながら前進。
5mほどの場所で予定どおり岩角にスリングを巻き、さらに厳しくなってきたあたりでポツポツとカム残置。屈曲にも細心の注意を払ってガンガン延長。
15〜20mほどでブランクセクションの薄かぶりハングへ到達。
マントルを返そうとしたら、甘い核心ワイドハンドが濡れている。
カムとロープで体が重い。行きつ戻りつしているうちにパンプしてしまい、ランナウトの恐怖に負けてテンションコール。
ちくしょー!!!
こいつが核心ってやつか!?
痺れるボルダームーヴでここを抜け、さらに上部のハング下へ。
ここまで25m〜30mくらい。ここを越えたらビレイヤーからも見えないゾーンに入る。
実はここからが本当の恐怖核心だった。
ハング下で大レストして、手持ちのカム二つをセット。ハング上からドカ落ちする可能性があるので、流動分散としておく。延長が長くなって、より大きく落ちるのが難点だけども、まあこの高さでの1mは誤差だろう。
何度かのテンションを挟みながら、意を決して甘いフレークを掴みながらレイバックでハング上にせりあがる。最終支点のビナからは2、3mのランナウト。
自分は極度の恐怖症なので、こういう場面では絶対に墜ちないか、最初からランナウトせずに墜ちることの二択しかない。もう2m上のガバを掴むまでは絶対に墜ちない、という計算で行くのだ。
ところがあまりのロープの重さに、感覚的には絶対できるはずのレイバックムーヴのバランスがとれない。
なんとか歯を食いしばり、粒カチに足を張って立とうとするのだが、少し上がるごとにロープの抵抗で体がめくれようとする。指はじりじりと甘いフレークからはずれそうになる。
少しでも指が外れたら、体幹の力を上回る重力で、体が裏向けに回転するだろう。
もうどちらの手も離せない。
危険信号が頭に鳴り響く。
指が開くのが分かるが、この姿勢を堪えるのが精一杯。
これがセミというやつか・・。
支点をずいぶん下に作った自分を恨みながら、大声でテンションを叫ぶ。
重いロープに強く引きずられるようにして体がぐんと加速するのを感じ、ぎゅっと目をつぶる。
血液が心臓の中からこぼれ出すんじゃないかという浮遊感。
・・・・・
そっと目を開ける。
止まった・・。
指が切れた程度で、大きな怪我はない。
テープを真っ赤に染まった指に巻きつけ、息を切らしながら辛い登り返しをする。
ここから長い長いレスト。
次、思い切って上にあがるが、先ほどより高い位置から2度目の大墜落。
あと少しだったようにも思うけど、長時間ビレイへの申し訳なさと、大墜落の恐怖で気持ちが切れました。
怪しいカムをたくさん取りながらそろりそろりとA0突破。
最後は10mくらいのワイドセクション。
ここは意外に堅調に進んでトップアウト。
いやーはるるさま、長ビレイ、本当に申し訳ございませんでした・・。
帰りは2段の懸垂。
斜めにかぶった壁での懸垂や回収は技術的な難しさがあって、大変なことになりました。
最初の頃の城ヶ崎を思い出すようなテクニカルな懸垂でしたが、ビレイヤーはるるの知恵と助けでなんとか全部回収。
1日2本はできる、なんておもっていましたがとんでもなかったです。
一つ一つのムーヴはこなせると思うのですが、とにかく想像を絶するストレニルート、そして恐怖ランナウト。修行して出直します。
-------------(顛末記終わり)--------------
降りたあとは不動沢愛好会ルートで、はるる渾身のトライ。
もう何時間でも何本でもビレイしますからね〜。
カムが取りやすく、定期的にレストポイントがあるルートだから、慎重派のはるるには向いていそう。5.10aは初めてのトライだったようですが、行きつ戻りつしながらも着実に進んでいき、残り4〜5mくらいまで迫ってから痛恨のテンション。
惜しい〜!!
あと1日・2日くらいトライするチャンスがあれば、十分グレード更新できますねー。
下山後は境川でたくさんの塾生チームに会ったりして、帰途につきました。
はるるさま、本当にありがとうございましたー。
次、グレード更新できるといいですね!
----------------(本日の成果)----------------
・不動沢愛好会ルート 1P目・フレークvar.(5.10a) アップ
・JECCルート(5.11a)
瑞牆の5.11は本当に重いなあ。物理的な意味でも。
腰に重りをつけてレイバックの練習をしたほうがよいのかね・・