2014年9月15日月曜日

北岳バットレス第四尾根敗退記


北岳バットレス敗退しました。

年に2・3度の貴重な休みに出かけた憧れの山。
20kgを超える大荷物をかつぎ、想像を絶する混雑の中、調子の上がらない相方のためにバスの列に並んで待ったり、テント場を押さえたり、荷物を持ったり、精のつく食事を準備をして待ったり。

そして全てをやりつくさないまま迎えた突然の終わり。



いやあ・・精神的に応えたー。

ま、立ち直ったけどね!

geraniumさんから「アルパインに行きませんか?」というお誘いを受けたのは7月くらい。実施直前に彼が体調不良になり、単独で山にでも転戦しようかと思っていたが、「こじーさんさえ良ければ、取り付きまででも行きたいです」というアツい話にぐらっと来た。

この時点では、剱の六峰A・Cフェース、北岳バットレスが候補でした。

バットレスは下部岩壁を含めると20ピッチ近いクライミング。壁の上にいる時間が長く、体調不良・悪天候になった場合の敗退が難しいことが懸念。

剱の場合は、アプローチが大変だけれどいつでも敗退が効く。さらに肝心のクライミングは3ピッチ。本峰を踏まずに即下山もできるということで、よりリスクが少ないように思えた。

しかし車の運転も含めてアプローチが遠すぎる、ということで剱は消滅。他の候補もうまく希望が折り合わず、結局は元の北岳におちつく。

そもそも剱沢まで行く体力が不安なレベルで、3193mまで登れるのだろうか?
1ピッチ30分で終わらせても10時間近い登攀、さらに白根御池ベースからのアプローチと長い下山も加わる。3連休だから渋滞もするだろう。寒気の流入で氷点下が予想される山頂付近、彼の体調的にビバークは考えられない。となると、連続15時間行動くらいになっても不思議ではない。

実際に行動時間を細かく計算してみせると、「意外に時間がかかるものですねー」という気の抜ける返事が返ってくる。あれ、何を根拠に行けると思っていたのだろう?とやや訝しく思いはじめる。

僕がこの時点でスッパリ断った方が良かったのだが、その時は「じゃあ僕も頑張るからやれるところまで何とかやりましょう!」とふんわり答えたのが最初の誤算。




ま、ぐずぐずした夏を終えて、久しぶりに天気がよかったからね〜!
ついつい楽観的な気分になりまして。




当日は、満載の始発バスに乗れない登山者が続出する混み具合。

ジェラ氏と相談して、僕が先行。テント場を二人分、押さえておく役目にあずかる。
到着後、疲労困憊のパートナーに休憩をとってもらい、午後に取り付きを偵察。




おおお〜これかあ!!
目の前で見るとカックイイね〜!


ここでハング下に明日のロープやハンマーなどをデポ。
これでジェラ氏には空荷で来てもらうことができるようになった。

前日の偵察人数、小屋番の話を総合すると、明日はかなりの渋滞が予想される。


スーパーアルプス林道が復旧して初の晴れ、三連休。
混まないはずは無いよね。

(続く)

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