2015年8月11日火曜日

あこがれの八ツ峰 <僕たちのライン>



朝。雪渓を吹き抜ける冷風が頬に心地いい。







空が白んでくると、すでにDフェースに向かうパーティーが見える。


一つの忘れもので計画が台無しになる可能性があるので、出発前に念入りに装備を確認する。なにせ今日は壁、雪渓、岩稜、ガレ場とあらゆる状況がつまっている。

朝の雪はしまり、アイゼンが気持ち良い。








バイルを頼りにシュルンドの淵を降り、富山大ルートの取り付きへ。






リッジを奥に回り込むと、大きく迂回してきた朝の先行パーティーが、ちょうど登攀を始めるところだった。おじさんは、奥の方にもルートがあるよ、と言う。

確かに奥のフェースも形状は豊富なようだ。
ここを自由に登れたら楽しいだろうなあ。
先行の後をついて登ることになれば、ルーファイの楽しみすらなさそうに思える。


「前も詰まっていることだし、せっかくなのでトポ無視であがってみますか!」


はらりさんの提案で、腹が決まる。

先ほどのおじさんから、「そっちのルートはアブミがいるよー。」と声がかかる。「カムじゃなくてアブミ持ってきたらよかったのにねえ。」


別に既成ラインを登るわけではないので・・という言葉が出かかるが、おそらく善意のアドバイスなのだろう。ありがたく受け取ることにして、そのまま登攀にとりかかる。

岩は予想以上に堅い。
気持ちよいフリクションが決まり、ぐいぐいと高度を上げる。







隣を見ると、先ほどのおじさんが右往左往している様子。


「今ロープは何m?」
「15mです!」
「2P目、トポには何て書いてある?」
「『40m』とありますね」
「うーん、じゃあここじゃないなあ。どっち行くんだろう・・」
「左じゃないですか?」
「いや、ハーケンがないんだよ。右かなあ?」


隣とクロスしそうな凹角を離れ、ホールドの豊富なフェース面に向かってロープを伸ばす。
僕たちは自由だ。

小さなレッジに上がりピッチを切る。
カムに、ハーケンを一枚打ち足す。
ハンマー代わりに使ったバイルを、ザックと背中の間に差し込む。

ATCをセット。
いつものように背中のサブザックを外す。
瞬間、背中に感じていたバイルの重みがフッと消える。


!!


振り返ると、猛スピードで落下していく金属の塊。

「ラーク!!!!ラーク!!!!」


足元のハングをかすめたバイルは、下の雪面で何度かバウンドした後、派手な音を立てて、対面、Cフェース側のシュルンドへと消えていった。


幸いにもはらりさん、そして隣に取り付き始めた学生パーティーとも無事なようだった。
足元が少し震える。





クライミングシューズのまま苦労して雪渓をわたり、シュルンドの奥に潜ってバイルを拾ってくれたはらりさんから、バイルを受け取る。雪のおかげだろうか、どうやら石付きに傷がみられる程度で、問題なく使えそうだ。

いっとき感謝と申し訳なさでいっぱいになる。これがなかったら長次郎を降りることができない。つまり、ここで敗退となるところだった。隣のパーティーに気を取られたり、ロケーションに浮かれたり、朝から注意が散漫になっていた自分を戒める。

バイルにスリングをかけて、落とし止めとする。はらりさんの労力にこたえるためにも、ここは冷静に、冷静に、登攀に集中しなければならない。

2ピッチ目ははらりさん。
難しそうなハングを順調にこなし、ぐいぐいとロープが伸びていく。

3ピッチ目、富山大ルートの方向に出ることにする。
ここからはリッジ通しの方が面白そう。





高度感のあるリッジを交互に突破すると、徐々に個性的な岩峰が見えてくる。
あのDフェースが、もうほとんど僕たちの足元にある。


はらりさんに続いてピークに立ち、固い握手!




やったー!


軽い食事をはさみ、爆発した喜びをしずめる。

まだまだ半日は危険な縦走が続く。
無事に本峰までたどり着けるだろうか。


さあ八ツ峰へ。

2015年8月10日月曜日

あこがれの八ツ峰 <熊の岩へ>



はやる気持ちを押さえながら慎重にガレた踏み跡を下る。

八ツ峰を眺めること3日目。
やっとあそこへ挑むんだ。
背中に食い込む荷物の痛みさえ、心地よく思えてくる。

そうそう、3年前はひとり遅れてここを登り返したんだったなあ。






今日は熊の岩まで一気にベースをあげる計画。

八ツ峰上半を登りたいのなら、真砂沢にテントを残置して軽装アタックするほうが合理的かもしれない。労力は少なくてすむし、もしかしたら時間もセーブできるだろう。


でも僕たちがやりたかったのは、「有名ルートを一つやっつける」ということだけじゃない。40を超えたオッサンにしてはこっぱずかしい話だが、「この山に認められたい」というのが、大真面目な気持ちなのだ。いっぱしのクライマーとして、この山とがっぷり四つに組んで、果たして相手にしてもらえるレベルになったのだろうか?








お互いにこんな話をしたわけではないけれど、「八ツ峰を抜けたらそのまま本峰まで縦走して、熊の岩で祝杯をあげたいですね」ということで意見がぴったり重なった。


雪渓に出ると、ゆるやかだった雪面は徐々に傾斜を増し、ついには恐怖を感じる角度となる。うまい具合に、はらりさんが杖になりそうなダケカンバの枝を拾い上げた。まるで誰かがここに置いてくれたかのようだ。






長次郎出合でヘルメット、ピッケル、アイゼンを装着して、午後の緩んだ雪渓を喘ぎながら登り返す。
傾斜はきつくなり、背中の荷物がどんどん重さを増してくる。





上がれども上がれども、目指す熊の岩は一向に近づかない。
朝から長距離を歩いてきたはらりさんはさらにキツそうだ。


VI峰の登攀ラインが目で追える距離になると、心なしかすこし足取りが軽くなる。






熊の岩を大きく回り込んでビバーク地へ。
6張りほどの先客がいたが、うまい具合に平らな場所が空いていた。







疲れた体を引きずるようにしてテントを設営し、夕食の準備にとりかかる。

そして・・待ちに待った乾杯!!








八ツ峰の岩峰群が間近に眺められる最高のロケーション。

数日前まで、高層ビル群を眺めながら息がつまるような仕事をしていたことを考えると、夢のような時が過ぎていく。






明日はあのスカイラインに行くんだ。
源次郎のコルからここを見下ろした時は、果てしなく遠い場所に感じていたよな。


深酒に気をつけて早めの就寝。
おやすみなさい。

あこがれの八ツ峰 <前編>


翌朝は暗いうちに朝食をすませ出発。
奥大日を往復するという家族と別れて、ひとり劔御前を登り返す。

なにしろ暑いので、朝のうちに劔沢に降りてしまいたい。





劔沢に残置した装備やテントを片付け、四苦八苦しながらザックに押し込む。

はらりさんが到着するまでまだ4時間はある。
大岩の上で寝そべると、真っ青な空がまぶしくて目を細める。
遠く八ツ峰の稜線を追いかけると、いやでも源次郎尾根が目に入ってくる。


あそこで、はらりさんと人生初めてのバリエーションに挑んだのが3年前。








劔沢小屋泊まりでの源次郎尾根という、今から考えるとなんてことはない計画だったのだけれど、クライミング初心者でまだ右も左もわからない僕たちには、文字通り決死の「ビッグクライム」だった。
二人で力を合わせて成し遂げたその登頂を、肩を抱き合って喜びあったんだ。

平蔵谷を下りるところで、僕がバテてしまう。

このままでは室堂からの最終バスに間に合わない。
そこで明日の予定があるはらりさんに、先に下山してもらうようにお願いしたのだった。






「本当はkozzzzyさんと一緒に下山を喜び合いたかったけど、先に行かせてもらいます」

僕の申し出に、何度も躊躇していたはらりさん。
劔沢の登り返しで僕が全く前に進めなくなったのを見てとり、無念の決断をしてくれた。


別れ際に二人でとった写真。






自分たちにとっての挑戦の大きさ、それに費やした全ての努力を考えると、この山行には大きな達成感を感じられたはずなのに、一抹の悔しさが胸の底に苦くこびりつく。遠ざかるはらりさんの背中を見つめながら感じた何とも言えない申し訳なさ。


ちきしょう〜!!弱えなーオレ!


この3年間、重装備を担ぐたびに、あの時の自分を乗り越えたいという思いが心の中にあった。

鋭鋒が描く美しいスカイラインを眺めていると、そんなことがとりとめもなく思い出される。目を閉じてみても眠れるはずもなく、温かい石の上で寝転んだり起き上がったりしながら、じりじりと時が過ぎるのを待つ。


あのときは夢のまた夢だったあの八ツ峰に、一緒に挑むチャンスがやっときたんだ。
あれからどっぷりクライミングに魅入られてしまった僕たちは、少しはクライマーと言えるレベルになっただろうか?






昼前、ついにはらりさんが到着。
堅い握手をかわして、再会を喜び合う。


さて、どんな冒険が待っているのだろう。

2015年8月9日日曜日

まったり別山尾根(2日目)



翌朝は暗いうちに起床。

お盆休みの土曜日。ピーカンの別山尾根ともなると、わんさか登頂者が出るにちがいない。タテバイや前劔での大渋滞だとか、下手したら落石を食らうなんてことも予想される。

弟を急かして4時に出発。
雪渓をそろそろ渡り、剣山荘で準備運動している団体客を追い越しずんずんと高度を稼ぐ。今日は荷物が軽いね〜。







すでに多くの登山者が登り始めている前劔のガレた斜面を慎重に通過。
あちこちで落石を起こしている音が聞こえるので、油断できない。
こういう部分は一般ルートの方が気を使いますね。






前劔を通り過ぎてしばらく行くと、そろそろクライミングぽくなってきます。
最後の岩峰をこえると、平蔵谷の向こうにカニのタテバイが見えてくる。

弟には先行者に近づきすぎることがないよう注意をして、先に行ってもらいます。
まあここまで見た感じ、落ちるようなことはないだろう。

ワシは撮影係として待機。






どこにいるかって?






もう混み始めていますね〜。
そんなこんなで6時半にトップアウト!





ここ数年で登山に目覚めた弟は、劔山頂を踏んでとても嬉しそう。
おめでとう!念願がかなってよかったな〜。





ワシは・・別山尾根はもう飽きた!(爆)

まあ、いつか息子を連れてくるときにまたいくのかな〜。いくんだろうな〜。
同じルートを何度も何度も往復するガイドさんは凄い!


今朝の劔は珍しいくらいの快晴。まだガスも上がってきていない。
後立山や槍、南ア、八ヶ岳・・富山湾や富士山までうっすら見える。

お前ラッキーやな!こんなこと中々ないんやで〜!となぜか威張る兄。


そんなこんなで1時間弱すごして下山。

振り返るとカニのタテバイにはすさまじい数の団体客が長蛇の列をなしている。
あれじゃ30〜40分待ちかも?
早く通過してよかったあ。






強い日差しの中をザクザクと降り続け、テント場帰着。
ふう。引率業務も無事完了!

さて明日からは自分のクライミング。
ここで合流予定のはらりさんがくるのを待つばかりです。





ところが弟が「このまま雷鳥沢に戻る」というので、僕もテント・登攀装備はここに残置したまま、一旦雷鳥沢まで戻って家族と過ごすことにしました。
劔御前を何度も往復するのは面倒だけど、補給も気になるからね〜。


てなわけで再び雷鳥沢へ。




ひと仕事終えた開放感で酒がうまい!

自分の登山とはまた違った疲労感がありました。
下で待っている両親のことを思えば、何があっても弟を無事に降ろさないといけない、という見えない緊張感。自分には物足りない登山道でも、クライミング素人の弟を連れて行くとなると、やはり難度が高いルートでした。


さて明日からは、待ちに待った自分の山。
三年越しの思いがつまった八ツ峰があの向こうにある。


さて、僕はどこまで頑張れるようになっているだろうか。

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(剱岳別山尾根の記録)

8/8
雷鳥沢     10:00
劔御前小舎   11:30 11:45
別山北峰    12:15 12:30
劔御前小舎   13:00
劔沢テント場  13:40

8/9
劔沢テント場  4:00
劔山頂     6:30 7:20
劔沢テント場  9:40 11:00
劔御前小舎   11:40 12:20 昼食
雷鳥沢     13:20


反省点:慣れない長期山行だったので、装備の過不足について学びがありました。
・長期の場合、食料は妥協しない。着替えはまだ妥協できる。
 − 2・3日なら食事が少なめでも我慢できるけど、後半バテてくるので食事は大切だと知りました。
 − 夕食では1.5〜2食分は食べると思って計算した方がよい。また炎天下の長時間行動を考えると、行動食も少し多めに必要だった。
 − 料理のレパートリーを増やしたい。パスタは美味しいけど、茹で汁の処理に困った。
 − 雨天対策で着替えは必要だが、まだまだ減らせる。ビビって持ちすぎ。
 − 夜はシュラフ#5、カバーなしで大丈夫だった。寒かったけど。
・コッヘル大はほとんど出番がなかったが、フタが何かと役に立った。
・ストックは持ってきて正解。長い長い下り坂で重荷を背負って降りるのはかなり辛い。
・日焼け止め必須かも。火傷した。
・アーミーナイフは使わなかった(必要ならペツルのナイフがあった)
・アイゼンをアルミ8本爪にする、テントをツェルトにする、など軽量化の検討の余地あり。
・携帯電池のバッテリーは多めにあってもいいかも。切れると致命的。
・登山靴が合わないと最後の方でめちゃめちゃ辛くなる。次は工夫しよう。

全体的に、「なんとなく使うことがあるかも」「なんとなくこれくらいでいいかも」というノリで準備していましたが、もう少し詳しく用途を考えて絞ることが大切ですね。あたりまえか・・。

ルートについて:クライミング的な好奇心で、鎖をつかわずにトライしてみました。
カニのタテバイはII〜II+級程度かな?ただし最後は鎖のラインを外れ、弱点とおぼしき右の凹角から上がりました。鎖のラインは、おそらく落石を起こさせないようにあえて凹角を迂回して垂壁を登らせているのかなと思いました。ヨコバイはトラバース後半の一箇所が悪くてII+〜III級程度あるかも。別山尾根全体では、鎖を無視すれば、大キレットとだいたい同じくらい、奥穂〜西穂よりは簡単な感じかしら?

2015年8月8日土曜日

まったり別山尾根(1日目)



さてさて、地獄の仕事ウイークを抜け出して、待ちに待った劔旅のはじまり〜♪

ちなみに会社の同僚には、「お盆に家族に会いに行く」という話で通してきました。
別にウソじゃないしね。

なのに奴らが何度も何度も「kozzzzyさん、メールは見られますか?」と聞いてくるので、つい白状してしまいましたよ。






ええ、山だよ山!

キミらの予想通りで悪かったねっ!
わかったら決して連絡するんじゃないわよ、このオタンコナス!!(とはもちろん言ってない)


ところが最近、劔沢にはauのアンテナが立ったようで普通にメールが見られましたとさ。




それはさておき、今回は「毎日あるぺん号」を初めて利用してみました。
なんと、室堂までダイレクトに行けるんだよ〜。






「破砕帯」の説明を聞き飽きたそこのアナタに超オススメです。
欠点は堅い四列シートだが「岩棚でのビバーク」を想定しておけばがっかりしない。



そもそも、なぜまた弟を案内する羽目になったかというとですね。

・両親が「雷鳥沢でテント泊してみようか」となり
・お盆に帰省する予定だった弟が「じゃあ俺も」と同行することになり
・「せっかく雷鳥沢に行くのなら劔にのぼりたい」と思った弟が
・山キチ◯イの兄貴に連れて行ってもらおうと考えた


という流れみたいです。






んなわけで、室堂で関西方面から来た両親と合流してのんびりと雷鳥沢へ。
家族ハイキングなんて、小中学生以来だな〜^^


両親のテント張りを手伝った後は、弟と二人で劔沢へ向けて出発〜。

最長5泊分、25kgは軽く超えると思われる荷物が肩に食い込むけど、まだまだ意気揚々。仕事に比べれば楽しすぎるぜ♪







一応、別山も踏んで、劔沢で食事タイム。
今日の食当は料理上手の弟です♪







アヒージョにバゲットとオリーブって、それどんなランドネ特集やねん?

・・・あらかじめ言っておくが、兄の持参物はフリーズドライカレーとアルファ米だからな。スマン。






くっ!酒がうめ〜!空気もサイコ〜!


お盆の別山尾根なんてまったく気乗りしなかったのだけど、弟の心づくしの接待を受けて、ミーハー登山もたまにはいいなと思い始める兄なのでした。


ちなみにこの時にやられたと思われる日焼けの疵がひどいことになったのだけど、それはまた別のハナシ。真夏の山で、日焼け止めは軽量化してはならないということを身をもって学びましたとさw

2015年8月7日金曜日

山とモルトとうんちくと


なんとか死なずにお盆までたどり着いたあ〜♪

明日からは劔!
今朝は早起きしてせっせと荷物を作っておりました。

前半は別山尾根、後半はバリエーションと、まるまる4〜5泊する予定。今まで3泊が最長だったからちょいと心配です。で、不安のあまり荷物がみるみる膨れていき、70Lザック(たぶん80L弱入る)が満杯になりました。さらに食料を入れたアタックザックを前に抱いて劔御前に登ることに。なんでいつもこうなるかね・・w

まだまだ削れるものがありそうなのだけど、生活技術、パッキング技術は改善の余地ありです。






どうでもいいとは思いますが、今回は大事に大事にとってあったシングルモルトの残りをついに山行に投入することに。

もうすっかり見られなくなった、カモメが描かれた懐かしいボウモア。しかも8年というモルトにしては異例に若い奴で、ピート・・・あ、よくわからない?そうですかww

もうヤフオクでウン万出しても手に入らないんだぜー。
買った時は安かったんだけどね!

前に持って行ったのは十五夜の北鎌、あれはうまかったなあ。
今回は雪渓の氷で割るとうまいかな。(いや、マズそうだw)


ザックが重かろうと荷物があふれようと、酒は決して削れないkozzzzyなのでした。

2015年8月2日日曜日

冒険の匂い



世間は夏というのに、週末どころかジムの予定もうかつに入れられない日々。

仕事があるから、今週末も家にいるかなあ。と思っていたところ・・・某登攀クラブのKさんから瑞牆のお誘いをいただきました。

場所の希望まで聞かれたので、(厚かましくも)以前から気にかかっていた「不動岩」を挙げて見たところ、ぜひ一緒にいきましょうという嬉しいお話。

そんなすんごいクライマーから誘っていただくなんて、もうこうなったら仕事とか言ってらんない〜!!後で泣くのは目に見えているけど、日曜日だけでも参加します!

ということで、喜び勇んで参加してきました。






KリーダーとY女史、それからTYさん・TMさんというこれまた強そうなアルパインクライマーズにご挨拶。楽しく会話をしながら不動滝へ。

I塾長からアプローチがやばいという話は以前に聞いていたので、不動滝を巻き上がるアプローチへ迂回してみました。

・・・しかし、コケコケの濡れフェースを上がるところで、歴戦のアルパインクライマーたちが「これはイカンわー!」というリアクション。
それならばぜひやめましょうww

正規アプローチへ転向してみたが、こちらも普通にフリーのルートを突破しなければ取り付きに行けない。





超ベテランKさんがリードしてくださって、我々も順次突入。

怖い木登りをこなして核心らしき悪いフェースを超え、リッジを回り込んで一安心。

一息ついて顔を上げると・・・あれ??

5.9はありそうな悪いトラバースがまだまだ続いている。
えええええええーご冗談をww

ノーハンド、スメアだけを頼りながらのバランシーな立ち込み。
ザックの重みが背中を引っ張るが、支点が遠くて絶対に落ちられない。





後続のみなさんも、やはりトラバースのところで「ウソでしょ?!」というリアクション。ドッキリ番組を見ているみたいでしたが、全員通過して、見晴らしのいいテラスで昼休憩。

いやーコワ楽しいねー。こんなアプローチの先にあるクラック、よく見つけたよねー!
なんて盛り上がっていたら、TYさんが「クラックのあるところには、そういう匂いがするらしいですよ」とおっしゃってました。

なにそれ!変態すぎて楽しいんですけど!


ちなみに彼は足を怪我していて、片方アプローチシューズのままトラバースをこなしたという変態・・もとい冒険精神あふれる猛者です。リードできないのにここまで来たという情熱がすごすぎます。僕もクラックの匂いがわかるように精進しようっと!





さてさて。
今日の目標は、不動沢一美しいと言われる牛乳瓶クラック(5.10bワイド)。

なんとOS権を譲っていただいたので、バックロープを引きながらトライ。




ルートはびっくりするほど素直でした。
よろめきクラックよりも易しいように感じたけど、サイズ感の関係かしら?

しかし・・終了点にあるのはサビサビの手作り支点のみ。トップロープ用にカムで支点を作成しなおし、さらにロープがスタックしないようにタルタルになるまで引き抜き、フリーソロで崩壊した草付きをトラバース。

トポに指示された通り、隣のルートの終了点まで移って支点をつくり懸垂下降。

なんとかトップロープ張りをこなしたはずでしたが、「コの字」型になってしまったロープがスタックしてしまい、Kさんが回収フラッシュ便を出してくれました。(すみません・・)

最後にもう一便、スタックしたカムの回収係として出動したところで、雷鳴が鳴り出して終了〜!








荷物を回収して懸垂を交えながら取り付きまで降り、ワイワイとヘッデン下山。

「楽しかったね〜。こんな楽しい場所が近くにあるなんてサイコーに幸せですよね!!」
「ディズニーと瑞牆、どちらかって言われたら、どう考えても瑞牆を残しますよね〜。ディスニーとかウ◯コだし!」
「いやいや、そんな奴、人口の1%もいねーよww」


みんなそれぞれ、こういう冒険が好きでたまらない感じがビシビシ伝わってきます。
そうそう、オレも、もともと記録とかグレードとかじゃなく、冒険がしたくて山を始めたんだよなー。

そんな原点をしばらくぶりに思い出した気がしました。


折から降り出した土砂降り。
帰りの車内で色々と考えました。
冒険。山。そして仲間について。
これからの人生で出会いたいこと。

帰りの大渋滞、翌日の睡眠不足を全部差し引いても、お釣りがくる日曜日でした。

Kさん、みなさま、本当にありがとうございました!!
これからもよろしくお願いします(ぺこり)。



-------------<本日の成果>-------------



アプローチ   (5.9?)フォローでも墜ちるとやばい。リードはルーファイ&精神力核心か。
牛乳瓶クラック (5.10bワイド)OS 超良ルート!!次は未来の力(5.11a)もやりたい。
トップロープ張り(5.11+)難しかった・・リードフォロー回収一択かも?






こいつがルート名の由来?