2015年2月15日日曜日

腰引けについて考える


翌日は塾長、メパンナ師匠とSさんとで相沢へ。
金曜日以来の睡眠不足でかな〜り眠いんだけど、山の空気を吸うとテンションが上がる不思議。脳内で何か出ているのは間違いない。


アプローチには先行パーティーの足跡がくっきり残っていて、苦もなく取り付きへ到着。






さて、今日のテーマは引き続き足。
昨日はひたすら本気トライだったので、朝は慎重にフォームを整えることを目標に。

恒例のボルダーを1時間くらいやっているうちに、ようやくいい感じがつかめてきた。やはりモノポイントが厳しいときは、内側の前爪もひっかけてフリクション(?)を稼ぐと良い感じ。
まあ・・塾長にはガニ股ガニ股って言われたけどねっ!


そうこうしているうちに、あらたな発見。

塾長のご指摘により、足が決まらない(もしくはよく外れる)のは、どうやら「適切に腰が引けていない」ことも原因らしいと判明。





①間違えた腰引き(極端な再現)






②正しい腰引き


懐を大きく作ろうとするあまり、①のような状態になると、膝頭が下を向いてしまい足が高く上げられない。それでも無理に上げようとすると、膝を横倒しに上げなければならず、足の先端が斜め向きに刺さるため、体を引き上げて行ったときに爪先の方向が大きく変わって抜けるようなのです。しかも膝を横倒しにするとアイゼンをパンツにひっかけがちだし・・。

②の体勢は、腕の引きつけをすることで体をまっすぐに保ちながら懐をつくっていることで、足を高く水平にあげることができる。

肘が伸びる①の方がいいように勘違いしていたけど、②に変えた途端に足がガシガシ決まるようになりました。ま、写真で見れば一目瞭然だけどねw



おまけにもう一つ・・。




③ アックスをもう一段高くきめる


これは「②の状態をつくりながら、なおかつ肘が伸びる」という理想形・・なわけないw
懐がほとんどつくれない上に足元が見えなくなるので、こうなると腕力で体を引き上げるか、②の状態になるまで足をちょくちょくきめ直すしかない。

核心部の抜け口付近において、一刻も早く抜けたいあまりに、やらかしてしまいがちなムーヴですね。岩のマントリングでものすごく遠いガバを取ってしまい、ヒザで這い上がったりしますが、そんな感じ。


おおお〜!ちょいと足の考え方がつかめたよ。講習受けてよかった!
ボルダーをなめていましたが、ただの自主練ではなかったのですね^^;;


さて、最後に待望のルート、エイプリルフール1P目へ。

疑似リードやってもらいますとの指令。
お、おう。がんばります!





下部が思ったより悪く、スクリューをきめるムーヴがなかなかつくれない。

「kozzzzyさん、今ランナウトどれくらいしてますか?」

「kozzzzyさん、今落ちたらギリギリグラウンドするかどうかですね〜」

「kozzzzyさん、もう完全にグラウンドですよ〜!」





わ・・わ・・分かってますよっ!!んもう!
ここじゃスクリュー体勢つくれないのよ〜!!(逆ギレ)


ルートの読みが狂ってどんどんと追い上げられていく状況に、クラック初心者時代を思い出しました。今でもこういうやりとり、ありますね・・。

そんなこんなで、ヒイヒイ言いながらトップアウト。





色々ダメだったけど、目標としていた足は核心においてもしっかりきまったので、今の僕にしては上出来かな。(下部で一回抜けたけど・・)

塾長、いつも的確なご指導ありがとうございます。







アイスはこれで最後かな?と思ったけど、せっかく色々と身につきかけてきた気がするので、シーズン中もう一回くらいやってみたいな、という気になりました^^;


メパンナ師匠、前日のトップロープからのご指導&送迎、何から何までありがとうございました。

そしてSさん、素敵な写真を撮っていただいて感謝です。来シーズンもご一緒しましょう!



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<自分メモ>


1)基本的な考え方

・最初は「どんな場面でもまず肘を伸ばした方が良いフォーム」と思っていたけど、そうでもないようだ。局面によって前腕のパワーを犠牲にして足を確保することが大事。

・アックスはほとんどの場合、根気とパワーがあればガチガチにきめることは可能なので手はガバ状態になることが多い(軽く決めるとスローパー状態)。一方、足は必ずしもうまくきまるポイントばかりではない。いきおい悪い場所では、腕の引きつけを使って足を止めることが多くなる。


2)次のムーヴの準備

・足に関してフリーとの大きな違いは、足を掻き込めず、爪先の向きを変えられないことに起因している部分が大きい。つまり、足をきめるとその後のムーヴの可能性が決まってしまうので、その後を考えながらきめなければ行き詰まりやすい。

・足をあげるとき、次に体を振る方向を意識して、爪先の向きを内側によせるとよい。

・アックスも肘を内に絞って打つと、次に体を振る方向に効きやすいので楽。アックスが外向きに決まった場合は、ガストンぽいムーヴになる。


3)フォーム

・現時点の理想的なフォームとしては、アックスを適度に高くきめる。引きつけを使うことで、上体を氷の面と平行に保ちながら外に逃がす(腰だけを引くのではない)。できれば少し頭を引いて視野を確保する。そうすれば足が水平にあがり、自然にかかとが落ちて良い形できまりやすくなる。

・同じことを小難しく言うならば、上体の角度が膝頭の限界引き上げ角度を決め、それが足首の角度に影響する。腰だけを引くと上体が下を向く形になり、かえって膝の引き上げ角度が制限される。

・アックスをきめる高さにより、懐を引ける深さが変わる。大きく引きつけて一足を高くスピーディーに登るか、前腕の力をセーブしてちょこちょこ登るか、場所によって使い分けるのが良いのかな。

・自分は、対角バランスで立ち上がったあと、もう一足をハイステップできめる傾向がある。場合によっては、水平の位置にきめて三角形バランスにした方が、体幹をセーブしてレストしやすいようだ。どうもハイステップしたほうが安心感を得られる感覚があるのだけど・・これは要研究だなー。


4)ルートの攻略

・次のレストポイントまでのシークエンスを組み立てるために、足がきまりやすい場所をうまく繋いでいくのか、手がきまりやすい場所を中心に組み立てる方がよいのかは、まだまだ経験が必要か。今は手ばかり見ている傾向があるので、もう少しスタンス候補を意識し、ムーヴを考えると良さそう。

・アックスを深くきめようとしすぎていて、腕が疲れたり、食い込んだ刃を外すために疲弊したりしているので、セーブできる場所ではもう少し軽くきめてもよいか。これは今の優先順位でいうと一番低いけど、もう少しパワーセーブを意識した方が現実的。次のムーヴを見極めながら、ここはパワーセーブすべきか、ガチガチにきめるべきかをおおまかに判断できるようになればよいな。


5)プロテクション戦略

・疑似リードのプロテクション戦略は、まだまだリスク管理が甘い。(ま、当然か)

今回のプランはこんな感じ。

「核心部はルート上部抜け口の3mくらい。ここは慎重にムーヴをおこしてこまめに2〜3本を取りたい。難しかったら右の凹角に逃げよう。下部から一段上がるまではノープロ、そこから中段テラスまで3本くらいで突破すればいいかな(あまり深く考えず)。スクリューを取りやすそうなフラットな面はあの辺とあの辺だな〜(取れなかった場合のプランなし)」

グランドデザインとしては、まあOKだったかと思う。問題は下部が思ったより悪く、想定していたよりスクリューをきめるポイントが1〜2mずつ繰り上がり、一時的にグラウンド必至のランナウトになってしまったこと。

外岩だと、「あそこが悪かったらどうしよう」というバックアッププランを持っていくのだけど、今回は、下部がスクリュームーヴをつくれないほど悪いとは想定できていなかった。

また「目先の一手」に必死すぎていて、とりあえず次、次、という感じで追い込まれていったのですが、2・3手先がどうなっていくかを想像し、プランを修正する余裕がなかったのも危ないと思いました。

(オブザベ)
・悪い可能性がある箇所と、悪さの度合いの、より保守的な読み&バックアッププラン
・核心部だけでなく、とくに下部(テラス近く)などリスクが多い場所のプランニング
・スクリューをきめる場所の候補を多めに持っておく
・ちなみに自分のオブザベは、リードした塾長の1/10くらいの時間でした。「そもそも何をオブザベするべきか」についての想定自体ができていなかった。

(登攀中)
・登攀中におけるプラン(ルート、ムーヴ、プロテクション)の動的な修正、細かい読みを加えていくこと
・悪い場所に差し掛かる直前に気づくようにする。もしくは想定より悪い場所に入った瞬間、一歩降りてプランを練り直す。

6)スクリューセット
何もわかっていない。かなり手間取ってしまうので、もう少しやり方を研究したい。


ま、これを全部次回までに反映させることはないだろうから、気長にやっていこう。
クラックと違って気軽にバンバン数をこなせなすわけにもいかないので、腰を据えていかないとね〜。そう、大切なのは腰!コシ!



4 件のコメント:

  1. 途中まで頑張って読みましたが途中で挫折しました。今度教えてください。

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  2. おもに自分用のメモでしたが、書いていて嫌になりました。
    詳しく教えますので、今度雪洞掘ってください。

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  3. 上手い方々でガニ股ムーブの人はあまりいないので、いつかkozzzzy氏もガニ股から脱出するのかもしれませんぞ~(^^)

    またよろすくぅ。来シーズンは皆で11月末か12月頭にシーズンインで裏同心ルンゼとか行きたいなぁ~。

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  4. ガニ股はいかんのですか〜。そういや講習中以外では、上級者のムーヴを見たことすらなかったです。欲がなさすぎだな。。

    たしかに!来シーズンは11月末からやれたらもっと遊べますね。(・・おお、もしや、クラック合宿の次はアイス合宿の流れか!?)
    またよろしくお願いします〜^^

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