2016年11月2日水曜日

酷寒のバベル


今シーズン、どうしてもロプロスを終わらせたく・・塾長に懇願してバベルへ行ってきました。




ピーカン予報・・だったはずなのだけど・・

次第に雲の下になる岩場。




サブ〜!!!

塾長のバビルトライをビレイしてから、ロプロスへ移動。





前回のワイドは、核心でのカム戦術の失敗が大きい気がしています。

安易に塾長の真似をして、ハンドサイズのカムを取ろうとしていい手を塞いでしまい、さらに塾長がやったように足下カムをずらし挙げようとしたら、怪しい体勢になってハマってしまいました。

実力ギリギリのワイドグレードなのに、塾長を完コピして突破できると思っていたのが甘いな・・





あれからずっと考えていたカム作戦を反芻し、塾長のアドバイスももらってイメージを固める。

バベルに来られるのもシーズン最後。
手足の先が冷たすぎて痛いから何度も持たない気がするから、この一発で決めたい。

恐る恐るワイドに突入。

先に進めば安定できる場所があると知っているせいか、前回より体が伸びる。






前回が嘘のように突破できました。

テラスで荒い息を整えてから、ストレニュアスな上部へ。
昨日の雨のせいかクラックが若干濡れているように感じ、力んだ手を何度もきめ直す。冷たい岩の中に、握力が吸い取られていくのがわかる。




足下カムでランナウトして、手をかけた最後のリップ。

期待したようなガバが取れない。
指先が助けを求めてあたふたとリップの周囲を触りまくる。


もう落ちるわけにいかない。
パンプした手で無理やりスローパーを押さえ込み、なりふり構わず体を引き上げた。

完登・・・

汚い形だったけれど、久しぶりに力を振り絞った戦いでした。






こんなに気持ちを打ち込むクライミングに、あと何度巡り会えるかなあ。
もしかしたら夏の花崗岩シーズンで落とせた最後の1本になるかもしれないなあ。
岩峰の上で、しばし満足感にひたる。

シャツについた赤い色を目でたどると、感覚が消えた氷のような指に、パックリとした裂け目が開いていました。


この後は、バビル(5.12d)に宿題を残したままの塾長が追い込まれるのを尻目に、ひとり終戦モードにはいる。




・・イチ抜けしてすみません〜(笑)

これから5.12aに手を出す気にも、ワイドをもう一回復習する気にも、どうにもなれない。





二人とも寒くて斜面を上ったり降りたり丸まったりしながら迎えた夕刻。
あちこちから霧まじりの風が吹き下ろす。






塾長がついにバビル完登!
自分には異次元すぎて何がどうなっているのかわからなかったのですが、とてもいいものを見せてもらいました。

そんなわけで、最後はお互い気持ち良く下山。


今日触ったのはたった1本だけど、自分にとってはとても価値ある1本でした。
塾長、お付き合いありがとうございました〜(ぺこり)


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(本日の結果)

ロプロス(5.11c)累計2RP 時間切れの恐怖と寒さに追い込まれての完登(なんか昨年もあったような)

5.11台中盤をもっと登りこみたいと思っていたのですが、思いもかけずちょうどいいクラックに出会えました。
ワイドは相変わらず厳しかったけど、一度わかってしまうと二度目は思い切って行ける。こういうのを、オンサイトで出せないとイカンなあ・・。
グレード的には、ワイド部分があるせいか、上部は易し目なのかなと思いましたが、今の自分に丁度良い感じでした。

バビルはすごく面白いルートと聞いたけど、さすがに取り付くには何年も早そうに見えました。ビレイポイントには、上から小さな落石が常に落ちてくるので、かなり集中して見ておかないと目に当たりそうです。ビレイグラスがあってもいいのかな?

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